ひまわりの除染能力は低くても、復興のシンボルとして、被災者の心を癒していくでしょう。

ひまわりの除染効果

2011年3月11日14時46分に宮城県牡鹿半島の東南東沖130km、仙台市東方沖70kmの太平洋の海底を震源とする巨大地震「東北地方太平洋沖地震」が発生しました。
この地震の規模は日本周辺において観測史上最大であり、なおかつ最大遡上高40.1mにもおよぶ巨大津波も発生したため、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部では潰滅的な被害となりました。

 

また、地震発生後およそ1時間後に遡上高15m前後の津波によって東京電力福島第一原子力発電所が襲われ、原子炉が冷却できなくなったことからメルトダウンが発生し、外部に大量に放射物質が漏洩し、国際原子力事象評価尺度レベル7に位置付けられ、1986年4月ウクライナのチェルノブイリで起こった原子力発電所事故と同じ最悪の事故として世界各国で取り上げられました。

 

現在、放射性物質及び放射性物質が付着したモノを除去するため、ボランティアの方々や世界中にいる支援者の方々の協力によって土壌の剥ぎ取りや芝生の刈り取り、水による撹拌、反転耕などが行われていますが、2006年にウクライナのナロジチ地区にて「菜の花」を用いた「ファイトレメディエーション(植物修復)」による除染活動が行われており、福島県の各所では、菜の花と共にいつしか復興のシンボルであるひまわりもファイトレメディエーションの1つとして用いられるようになりました。

 

では、ファイトレメディエーションとはいったいどのような除染活動なのか、そして、ひまわりには除染効果が本当にあるのかをご紹介します。

 

 

ファイトレメディエーションとは

ファイトレメディエーションとは、植物の力によって土壌を浄化する技術のことです。
土壌に入り込んでしまった人体に有害な物質であるカドミウムなどの重金属は、1度入り込んでしまうとなかなか綺麗サッパリ取り除くことができません。しかし、特定の植物には重金属を吸収し、土壌を正常な状態へ戻すことが出来るのです。

 

しかし、ファイトレメディエーションを行うには土壌修復用の植物がカドミウムなどの有害物質を大量に吸い込む能力だけではなく、栽培技術や修復後に農地として再利用出来なくてはならないのです。

 

そこで、人々は復興のシンボルとして知られる「ひまわり」を放射能で汚染された地域に植え、ファイトレメディエーションを行いました。

 

ですが、2011年9月に農林水産省によってひまわりの除染効果は表土を削り取る方法と大差無いことが明らかとなったのです。

 

農林水産省は飯館村と川俣町の6か所の田畑を用いて除染方法の実証実験を行いました。
その中にひまわりの除染実験も含まれていたのですが、なんとひまわりが土壌から有害物質を吸収する量がセシウム濃度の2000分の1に留まったため、農林水産省は「現実的には除染に使用することは出来ない」と判断しました。

た、名古屋市に事務局を置くNPO団体「チェルノブイリ救済・中部」は「我々は逆にひまわりに栽培に対する危惧を抱いている。確かなデータに基づかない行動を行えば、汚染された土壌とバイオマスが残ってしまうからである。また、安易に償却するのはたいへん危険である」と発表しました。

 

実際、農林水産省の実証実験にてひまわりの除染能力は低いことが明らかとなり、水田栽培の効果を示す研究論文はあるが、セシウムを吸収するという研究論文は発表されていません。
また、ひまわりはリグニンと呼ばれる木質成分が豊富に含まれているため、菜の花のように分解及び発酵を行うことが難しく、セシウムを吸収した汚染ひまわりの処理が問題になっています。

 

2015年現在もひまわりによる除染活動を行っている方々はいらっしゃいます。
しかし、それは単なる除染目的のためにひまわりを植えているのではなく、災害によって心に深い傷を負った人々に元気と勇気を与えています。

 

そして、1995年1月に発生した阪神淡路大震災で亡くなった当時小学校6年生の加藤はるかさんの自宅跡に太陽に向かって力強く咲いた「はるかのひまわり」を南三陸町や気仙沼市の住人たちと共に国道沿いに植え、復興のシンボルとしてひまわりを植える活動を行っています。

 

政府も汚染されたひまわりの適切な処分方法を農林水産省のホームページにて掲載しており、除染能力は低くても、被災者の心を癒すことができるひまわりに一目置いています。
これからもひまわりは復興のシンボルとして日本だけではなく、世界中の人々の心を癒して行くことでしょう。

 

→そんなひまわりの主な産地とは?